甘納豆について

甘納豆について

細やかな心配りから、生まれる深い味わい。

素朴でしっとりとした甘さがなつかしい甘納豆。
さまざまな豆類や穀類を糖蜜とともに甘く煮詰め、砂糖をまぶし、乾燥させて作る半生の和菓子です。
創業以来、変わらない製法と味わいを守り続けてきた甘納豆は、良質の豆を選び抜き、ひとつひとつの工程に心配りを重ねることで、はじめて深みのある伝統の味わいが生まれます。


素材について

良質素材にこだわり、試作品を吟味し、原料を選びます。

美味しいお菓子づくりは、原料となる素材の吟味からはじまります。
全国はもちろん、広く海外にも生産地を求め、年ごとに良質なものを厳選。
あらかじめ取り寄せた原料を使って、甘納豆を試作しています。
そのうえで、味わいや風味、食感や色合いなどを細かく評価し、
その結果をもとに、仕入れる原料を決定しているのです。
この段階で製品の味、品質、出来栄えがほぼ決まりますから、
この原料選定こそ、最も重要な工程といえるのかもしれません。

白花豆

白色の大きく美しい花をたくさん咲かせることが、その名前の由来です。粒が際立って大きく肉厚であり、モチモチとした食感が魅力。自然な豆の甘味が豊かで美味しく、“豆の女王”ともいわれ、甘納豆の原料としても注目されます。たんぱく質と食物繊維が豊富であり、エネルギーの燃焼を助けるビタミンB1、B2も多く含んでいます。

金時

いんげんまめの代表的な品種の一つであり、粒の形がそろっていて、食味も食感も優れているため、幅広い料理に用いられます。特に煮豆に最適とされ、洋風の煮込み料理にもよく使われ、甘納豆の原料としても重視されています。特にたんぱく質と食物繊維が豊富であり、ビタミンB1やミネラルも多く含んでいます。

黒大豆

表面がピカピカと輝くような光沢にあふれ、深い旨味が魅力です。煮込んだときに煮くずれしにくく、蒸しても皮浮きが少ないのも特徴。古くから煮豆などに用いられ、お正月のおせち料理に欠かせないものです。ポリフェノールの一種であるアントシアニンを多く含み、肌荒れや眼精疲労の予防にも効果があるとされています。

あずき

日本では「古事記」に五穀の一つとして記され、古くから行事や儀式に用いられてきました。他の豆類と同様、たんぱく質と食物繊維がたっぷり。日本人に不足しがちなカリウムや亜鉛などのミネラルも豊富です。食感と旨味に優れることから、赤飯や汁粉をはじめ、あん、甘納豆など和菓子の材料として幅広く使われています。

うぐいす

きれいな緑色が特徴の青えんどうであり、いんげん豆とは違う独特の食味のよさが魅力です。海外ではマローファットピースと呼ばれ、近年、高品質のものが輸入されています。マロー種の特徴は粒が大きく、緑色が鮮やかで、中までふっくらと煮えるという長所があります。食物繊維、鉄のほか、酵素の働きを助けるビタミンB6も豊富です。

製法について

自然の色合い、風味を大切に、着色料や保存料は使いません。

甘納豆づくりは、シンプルな製造工程の積み重ねが基本です。
ていねいな作業と細やかな心配りが、そのまま繊細な味わいにつながります。
私たちは原料の旨味を引き出し、上質の仕上がりをめざすため、
着色料や保存料は一切、使用していません。
原料そのものの自然の色合い、風味を大切にしているからこそ、
たくさんのお客様から長い間、信頼を集め、
繰り返しお選びいただいているものと確信しています。

伝統の甘納豆の製造方法

(1)原料豆の選別・計量

仕入れた原料の豆をていねいに選別し、割れ、欠け、浮き豆などの不良豆を取り除き、厳選したものを正確に計量して使用します。

(2)水漬け・豆煮

煮込む前に豆を水に漬けますが、漬ける時間と温度は季節によって調整。それから豆に合わせて火加減を微調整しながら、やわらかく炊き上げていきます。

(3)蜜詰め

炊き上げた豆に糖蜜を浸透させる工程。いきなり高い糖度の蜜に入れると、豆がしまって硬くなるため、時間をかけて少しずつ糖度を上げ、しっとりとした口溶けをめざします。

(4)乾燥・砂糖かけ

火加減を調節し、適度に温まったら乾燥へ。冷め過ぎるとダマになるため、手早く均一に砂糖をまぶし、ほどよい食感にも配慮。あわせて1回目の金属探知検査を行います。

(5)選別・官能検査

品質に関わる水分活性値などは、ロットごとに測定。社内 資格取得者による官能検査を実施し、割れ豆などを取り除くなど、安定した品質を実現しています。

(6)包装・梱包

2回目の金属探知検査の後、計量や外観検査など、出荷直前の最終検査を実施し、製品ごとに最適な包装・梱包を施します。


甘納豆の歴史について

縁起のよい大角豆に着目し、安くて美味しい甘納豆を創案。

江戸時代の末、日本橋に菓子舗「榮太樓」を構えた細田安兵衛が創案したとされるのが甘納豆です。原料とした大角豆(ささげ)は、皮が硬く、煮込んでも皮が破れないため、腹が割れない=切腹しない、に通じることから、縁起がよい豆としてお赤飯などにも使われていました。しかし、和菓子の材料としては小豆に比べて風味が劣るとされ、値も安かったようです。そこに目をつけ、安くて美味しいお菓子が作れないかと苦心し、できあがったのが「甘名納糖(あまなっとう)」。当時、遠州浜松の名物だった「浜名納豆(はまななっとう)」をもじって名付けられたそうですが、これが大変に美味しく、しかも日持ちがよかったため大評判となり、現在の甘納豆の元祖となったのです。


佐賀県武雄市北方について

ふるさとの名物お菓子「武雄の甘納豆」をアピール。
数多くの観光客を誘致し、地域貢献をめざします。

佐賀県の南西部の中心に位置する武雄市北方。北部と南部にはなだらかな丘陵地が連なり、中央部には肥沃な沖積平野が広がる山紫水明の地です。多彩な農産物と山の幸に恵まれ、豊かな自然にかこまれています。
このふるさと武雄を代表する名物お菓子として、観光客にも親しまれるお土産品として、私たちは美味しい甘納豆づくりをめざし、あらゆる努力を重ねています。郷土の特産品を活かした魅力あふれる商品開発に取り組み、武雄ならではの名品を育て、幅広いみなさまにご愛顧いただけるよう、今後も力を尽くしてまいります。

また、より多くの方に「武雄の甘納豆」を求めて来訪いただくことで、町おこしの起爆剤として地域に貢献できればと願っております。さらに、衛生環境と安全管理を徹底した最新のHACCP(ハサップ)対応工場では、新たな体験メニューとして工場見学コースを設定しています。